こんにちは。企画制作の新倉です。
「新書で横浜」第8回。
2015年最初の道案内はこの新書です。
佐藤健太郎 著
「ふしぎな国道」
講談社現代新書
著者は本文の冒頭で次のように宣言します。
「本書は、日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し、何事かもの申すような本ではない。各地の絶景やグルメを楽しむための、ドライブガイドのような本でもない。本書は、「道路」そのものを楽しむために書かれた、「国道マニア」の入門書だ」。
以下254ページ、「国道」の楽しみ方が、カラー写真も使って、次から次に紹介されます。階段の国道、アーケードを走りぬける国道、車が走れない国道……。
横浜にも、楽しめる「国道」があるのでしょうか。
ページをめくっていくと、95ページ「国道の歴史」のなかに、横浜の「ふしぎな国道」がありました。
国道133号。
これが、横浜の「ふしぎな国道」の名前です。
ためにし、弊社の営業さん5人に聞いてみました。
なんと、5人全員が「知らない」でした。
一日中横浜の道を走り回っていて、「知らない道はない」はずの営業さんが、知らない国道133号。
これはもう、行くしかないですね。
目指すは「開港広場」。大桟橋の入口です。
中央の白い建物は横浜海岸教会。
この広場から「国道133号」は始まります。
開港資料館の中庭。
「近代日本学のパイオニア、チェンバレンとアーネスト・サトウ」の展示が行われていました。
「133号」。進行方向にはランドマーク・タワー。
交通標識に「133」の「おにぎり」(と言うようです)。
右側に県庁。1928年(昭和3年)完成。歴史的建造物として、登録有形文化財に登録されています。
開港記念会館。完成は1914年(大正3年)。大正期の代表的な公会堂建築です。
交差点を3つ過ぎると、重厚な建物が現れます。
古典主義様式の銀行建築の典型で、横浜市認定歴史的建造物。1929年(昭和4年)、安田銀行横浜支店として建設されました。
2005年(平成17年)からは、東京芸術大学大学院映像研究科のキャンパスとして使われています。
芸大横浜キャンパスを過ぎると、道は2つに分かれます。133号は左に進みます。
大岡川を超えて、川沿いに進み根岸線のガード下、16号と交差点が国道133号の終点。
起点からここまで徒歩で約30分。わずか1.4kmの国道です。
重要な港湾や空港と国道をつなぐ道を、独立した「国道」と指定していて、横浜港と国道16号をつないでいる道が「国道133号」です。
マニアの皆さんは、これらを「港国道」と呼ぶそうです。
横浜の港国道、133号。
歩いてみたら、横浜建物巡りの道でもありました。
国道の起点から終点までを訪ねる町歩き。ひとつの国道を歩き通すのですから、「達成感」はなかなかのものです(笑)。
途中省略して、日ノ出町駅。
本日はここまでです。
(取材日:2015.1.10)
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