こんにちは。企画制作の新倉です。
「新書で横浜」第4回。
今回の道案内はこの新書です。
富士山ブームが続いています。登山も大人気ですが、「富士見」も同好の士は多いようです。
同好までいかなくても、思わぬ場所から富士山が見えると、なんだか得したような気分になりますよね。
そんな「富士見」のポイントを、「いささか(かなり)マニアックに記した」のが「「富士見」の謎」です。
著者によれば、横浜は望岳都で、勤務した横浜市内の県立高校4校すべての屋上から、富士山が見えたそうです。
ランドマークタワーや横浜港シンボルタワー等の臨海部のポイント紹介のあとに、「川和富士」という初めて聞く名前が出てきます。
富士塚であると同時に、ダイアモンド富士を見ることができる、「マニアにはよく知られた存在」とか。
では、行ってみましょう。
9月の良く晴れた日、川和富士を目指しました。
上大岡から市営地下鉄で、あざみ野方面へ。センター南でグリーンラインに乗り換えて、二つめの駅が「川和町」。
市営地下鉄のグリーンラインに乗るのは初めてです。もちろん、川和駅に降りるのも初めて。知らない駅に降りるだけで、気分はすっかり旅人です。
改札を出て、左側2番出口の先にあるエレベータに乗って、地上に出ます。
そこから線路沿いに、元来た道を戻ります。
ふたつ目のバス停が「川和富士公園入口」ですが、ここからだと公園まで住宅地の中を歩くので、ちょっと分かりづらいかもしれません。
もう一つ先の「夕やけ橋」まで歩いて、右折すれば、直進で「川和富士公園」にたどり着けます。ここまで約20分の道のり。まあ、富士山に登るのですから、足慣らしには良い距離かもしれません。
ふたつのバス停と公園の位置関係。
公園に足を踏み入れると、そこにあったのは、紛れもない富士山でした。
美しいコニーデ型の山容。
螺旋状の周回路もありますが、ここは迷わず直登します。
101段の階段を上り来ると頂上です。
展望のよさに驚きました。駅からここまで、周囲の様子を見ながら歩いてきた訳ですから、どのくらいの展望かは想像がつく、そう思っていました。
とんでもありません。想像を遙かに超える展望の良さです。
頂上から見たふもとの風景。
中央に見えるのが周回路です。
さて、本物の富士山は見えるでしょうか。
頂上に埋め込んである方位標識に従い、西の丹沢山塊に目を転じます。
残念。丹沢の稜線の向こうには白い雲が沸き立っていて、富士山を隠しています。
でもなんだか、それほどがっかりはしません。そのための富士塚、なんですから。
下山は、周回路を下りました。
振り返ると、山頂が随分遠くに見えます。
帰りは「川和富士公園」バス停までの住宅地を歩きました。ここは「富士見が丘」。納得です。
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川和富士は江戸時代の末期に築かれた標高74mの富士塚。この地域は昔から富士山信仰が盛んだった土地柄で、港北ニュータウン造成以前は七つの富士塚があったそうです。現在、残っているのは「川和富士」と北方の山田富士、川和富士の東に位置する池辺富士の3つだけ。川和富士はニュータウン造成時に場所を移転、復元されたということですが、どうやって移築したんでしょうか。気になります。
川和富士公園
住所:神奈川県横浜市都筑区富士見が丘20
最寄駅:横浜市営地下鉄グリーンライン川和町駅 徒歩10分
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