横浜山手の西洋館とバラ

横浜の山手(やまて)地区はかつて外国人居留地で外国人が住む洋館や学校が立ち並んでいました。現存する洋館は横浜市の指定文化財や歴史的建造物としての認定を受け保護されています。ちょうどバラの咲く時季でもありますので合わせてご紹介します。

 

 

イタリア山庭園
JR石川町駅元町口から大丸谷坂(おおまるだにざか)を上って5分。
イタリア山庭園内に二軒の洋館があります。

 

 

外交官の家

外交官の家(重要文化財)
所在地:横浜市中区山手町16
入館料:無料
開館時間:9:30~17:00(7・8月は18時まで)
休館日:第4水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)

 

 

 

外交官の家とバラ

この洋館は明治43年(1910)に明治政府の外交官 内田定槌(さだつち)邸としてアメリカ人建築家J.M.ガーディナーの設計により東京都渋谷区南平台町に建てられました。木造二階建の塔屋付アメリカンヴィクトリアン様式、平成9年(1997)にイタリア山庭園に移築復元され、国の重要文化財に指定されました。

 

 

 

外交官の家-食堂-
アールヌーボー風の緩やかな曲線の装飾が美しい食堂。

 

 

 

外交官の家-大客間-
重厚な雰囲気を漂わせる大客間。

 

 

 

内田定槌氏
明治政府の外交官 内田定槌氏

 

 

 

庭側から見た外交官の家
反対側から見た外交官の家。こちら側からだと塔屋がよく見えます。

 

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ブラフ18番館

ブラフ18番館(横浜市認定歴史的建造物)
所在地:横浜市中区山手町16
入館料:無料
開館時間:9:30~17:00(7・8月は18時まで)
休館日:第2水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)

 

この建物は関東大震災で倒壊したものの火災を免れ震災直後の復旧工事において旧建物の部材を転用して元の場所(山手町45番地)に建築されていたものです。平成3年に所有者の事情で解体されることになったため横浜市が部材の寄贈を受けイタリア山庭園の現在地に移転復元されました。

 

 

ブラフ18番館のピアノ
100年前のピアノ。どんな音がするのかな。

 

 

 

ブラフ18番館-リビング-
リビングルームにはビューローやアームチェアなどの復元された横浜家具が配置されています。横浜家具とは山手地区に隣接した元町界隈で明治初期から製造・販売されてきた西洋家具の総称です。

 

 

ブラフ18番館とバラ

 

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山手本通りを元町公園に向かって10分程歩くとあるのがベーリックホールです。

 

ベーリックホール

ベーリックホール(横浜市認定歴史的建造物)
所在地:横浜市中区山手町72
入館料:無料
開館時間:9:30~17:00(7・8月は18時まで)
休館日:第2水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)

 

ベーリックホール(旧ベリック邸)は昭和5(1930)年、イギリス人貿易商B.R.ベリックの邸宅としてアメリカ人建築家J.H.モーガンによって設計されました。山手の洋館の中では最も規模が大きく、三連アーチの玄関ポーチや四葉型をした二階の小窓などたくさんの見どころがあります。

 

 

ベーリックホール-令息寝室-
山手の西洋館の中では唯一子息用に設計された部屋。各部屋に設置してある案内板が小窓と同じ形をしています。

 

 

ベーリックホール-応接室-
客用寝室として作られた部屋。現在は応接室として設えています。

 

 

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エリスマン邸

エリスマン邸(横浜市認定歴史的建造物)
所在地:横浜市中区元町1-77-4
入館料:無料
開館時間:9:30~17:00(7・8月は18時まで)
休館日:第2水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)

 

絹糸貿易商シーベルヘグナー商会の支配人だったエリスマン氏の邸宅として大正15(1926)年に山手127番地に建築されました。設計は「現代建築の父」と呼ばれたA.レーモンド。平成2(1990)年に現在の地に移築復元されました。前日にTV放映されていたせいか中は見学する方でいっぱいだったので今回は外から眺めるだけにしました。

 

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えの木てい
たくさん歩いて疲れたら「えの木てい」で一休みもいいですね。ケーキやサンドイッチなどがいただけます。こちらの建物も昭和2(1927)年に建てられた洋館で歴史があります。

 

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山手資料館

山手資料館(横浜市認定歴史的建造物)
所在地:横浜市中区元町1-77-4
入館料:無料
開館時間:11:00~16:00
休館日:月曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始

 

 

山手資料館のグリーンベンチとガス灯
山手資料館の前庭には明治初年アメリカから横浜共立学園に贈られたグリーンベンチや明治5年横浜馬車道に初めて点火されたガス灯を復元したものが設置してあります。

 

 

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横浜市イギリス館

横浜市イギリス館(横浜市指定文化財)
所在地:横浜市中区山手町115-3
入館料:無料
開館時間:9:30~17:00(7・8月は18時まで)
休館日:第4水曜日(祝日は開館し翌日休) 年末年始(12/29~1/3)

 

横浜市イギリス館は昭和12(1937)年英国総領事館として上海の大英工部総署の設計によって建築されました。当時の洋館としては珍しい鉄筋コンクリート造ですべての材料が上海方面から輸入されたものと考えられるそうです。

 

 

横浜市イギリス館の紋章
玄関わきに「GRVI1937」と刻まれた紋章があります。これは1937年ジョージ6世時代を示すもので、当時、英国総領事館公邸は地域の重要度に応じて規模が定められており山手の公邸はその中でも上位に格付けられていたことを示すそうです。

 

 

 

横浜市イギリス館-丸窓-

横浜市イギリス館とローズガーデン
コンクリート造にすることで窓の形が自由に設計できるようになりました。上海から船でやってきた設計家が船窓のような丸窓をモチーフに取り入れたのではないかと考えられるそうです。

 

 

 

横浜市イギリス館の模型
今回見てきた洋館のほとんどに模型が置いてありました。模型で見ると全体の造りがわかりやすいですね。

 

 

 

横浜市イギリス館とローズガーデン2
イギリス館と港の見える丘公園のローズガーデン。去年と同じ時期に来てみたのですが今年は夏日が続いたせいか、満開の時期をすぎていました。

 

 

 

横浜市イギリス館とバラ「マチルダ」
毎年この場所で綺麗に咲いてくれる「マチルダ」ですが、ちょっと来るのが遅かったようです。残念。

 

今回はイタリア山庭園から港の見える丘公園までの洋館をご紹介しました。写真を撮りながらゆっくり見学していたのでトータルで4時間半程かかってしまいましたが、イタリア山庭園、元町公園、港の見える丘公園に分かれているので場所を選んで見学してみるのもいいと思います。またそれぞれの地域の間にも教会や外人墓地など見どころが点在していますので、季節の良いこの時期、お散歩がてら訪れてみてはいかがでしょうか。

(小笠原)